企業での経験を活かしてNPOで活躍するリーダーを集めてのパネルディスカッションというセミナーに行ってきました。テーマが働き方であったり、リーダーシップであったり、そして無料だったこともあったのが参加動機でした。これまであまり考えたことのないNPOについて知る機会にもなってよかったです。
今回はセミナーの模様をノンカット的にお届けします。次回は、セミナー後の交流会で参加していたとの話や感想などをまとめようと思います。
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NPO Leader's Night in Yokohama
~ビジネス力を社会課題解決にいかすヒント~
2013年3月15日(金)19:00~21:30
神奈川県主催 / ビジネスアソシエ
案内チラシからしのジャッキーの気になったキーワード抽出
・若い世代の価値観の変化
・ビジネスの経験を活か社会課題の解決に挑戦
・異なる分野での先進的な取り込み
・働き方や日本のソーシャルビジネスの今後を考える
■県民局活動部NPO協働推進課 課長 挨拶
約47000のNPO法人がある
これは全国に5万弱あるコンビニと同等数あるが
どれほど関心を払ってもらえているか
「かにゃお(ねこのキャラクター)」による
神奈川のNPOを紹介する活動をしている
■日経ビジネスアソシエ発行人 高柳正盛
ビジネスアソシエの創刊に関わった
発行当時のキャッチフレーズは
「会社は負けても自分は勝ちたい」
だった
■パネルディスカッション
テーマ1:若い世代の価値観は変化しているのか?
テーマ2:あたらし仕事との関わり方とは?
<参加NPO>
1)Teach for Japan 代表理事 松田悠介
2)Table for two international 事業局長 小林智子
3)農家のこせがれネットワーク 代表理事 宮治 勇輔
4)あっとほーむ 小栗ショウコ
モデレータ(司会進行)
日経ビジネスアソシエ 編集長 坂巻正伸
Q.コミットしているNPOの仕組みについて
1)Teach for Japan 代表理事 松田悠介
すべての子供が質の高い教育を受けられる仕組みづくり
21世紀を生きていくための力
公教育で実施していくことが主眼
何かしらの形で困難を抱えている子供から取りかかっている
学校中に先生を送り込むという活動を4月から始める
課題解決ができる人に学校の先生になってもらう
➡困難校に行ってもらう予定
2)Table for two international 事業局長 小林智子
食に関するNPO
先進国10~15億人は食べ過ぎで成人病
➡新興国との皮肉なギャップ
活動5年くらい
ヘルシーメニューに寄付をつけて販売する活動
名前の由来は、自分の食事が、遠い地で食困る人たちの食なるということ
3)農家のこせがれネットワーク 代表理事 宮治 勇輔
日本の農家の平均年齢は66歳
やばいと思った
日本の農業を最短・催促で変えるにはどうすか?
企業で働いてビジネス力を身につけた
土地あり家あり、技術指導は親がやってくれて
周りの人たちははな垂れのころから知っている
そんなこせがれに就農してもらうのが最も効率的
番外)トークはユーモアと勢いがある。
4)あっとほーむ 小栗ショウコ
子育て分野で、働く女性を支援している。
特に夜間に主眼をおき、保育所を運営
今年で15年目
Q.なぜNPOに興味をもったか?
1)Teach for Japan 代表理事 松田悠介
教師になってみたものの、大人側、教師側に問題がある
子供と向き合える教師がいないと感じた
最初は、学校を作りたいと考えた。
スクールリーダーシップというコースがハーバードにあり留学
Teach for Americaにであう。社会を巻き込んだ活動をしていることに
影響をうけ、これを日本でもやりたいと考えた。
日本教育を良くしていくのが目的であり
NPOかどうかは手段、政治家が良いのであればそうすればいい
いまはたまたまNPOという手段をとっているに過ぎない。
日本教育を良くしていくのが目的であり
NPOかどうかは手段、政治家が良いのであればそうすればいい
いまはたまたまNPOという手段をとっているに過ぎない。
2)Table for two international 事業局長 小林智子
大学在学中、休学
ウクライナNGOでインターンシップに参加し貧困に触れた
生まれついての貧困に不条理を感じた
まず問題解決能力を身につけるためにコンサルになった
半分は貧困にある国での仕事に従事し
ビジネスの力、ビジネスだからできることを実感した
本NPOは当時には珍しく継続性を考えたものだった
ここで自分の力がどのように活かせるのかと考えた
たまたまNPOだった
3)農家のこせがれネットワーク 代表理事 宮治 勇輔
こせがれネットワークを、株式会社にするかNPOにするか考えたが、
すごいざっくり言うと、株主配当があるかどうか、だと思う。
NPOは利益追求ではなく、ミッション追求型。
ミッションを達成すれば解散しても良いと、そういうものだと思う。
4)あっとほーむ 小栗ショウコ
シフト勤務で子育てをしながら働いていたが無理を感じた
働く女性を助ける、自分が欲しい組織を自分で作った
個人事業では限界を感じた
利益追求だと自分自身の力が湧かなかった
Q.一般の企業で働くこととNPOで働くことの違いはある?
3)農家のこせがれネットワーク 代表理事 宮治 勇輔
変わらないと考える
起業するにあたり株式会社かNPOか考えるケースも増えている
ボランティア組織ではない
2)Table for two international 事業局長 小林智子
世間からの見られ方は違うとは思う
ローラー的に、テレアポを試みることも
「うちはそういうことやっていないので」と言って断られることもある
1)Teach for Japan 代表理事 松田悠介
我々は寄付型のNPOであるが、日本には寄付文化がなく
そのあたりが胡散臭さのイメージにつながっているかもしれない
そこはNPO側、組織側にも問題はあると思う
Q.ちゃんとしたNPOと胡散臭いNPOの見分け方あるか?
3)農家のこせがれネットワーク 代表理事 宮治 勇輔
電話などでの対応者と話して「思い」を感じるかどうかだと思うが
日本での歴史は10年くらい、まだまだガバナンス力が弱い
しっかりしたNPOは100社もないかもしれない。
1)Teach for Japan 代表理事 松田悠介
アメリカでは、IRとかもプロフェッショナルレベルでやっている
活動の価値を認められ1000万円以上の所得をえているケースもある
2)Table for two international 事業局長 小林智子
現在フルタイムのメンバは3人しかいない
ボランティアを受け入れたくても、そこに時間をさけない状況がある
寄付の20%を限界に運営費としている
人を増やせば寄付を増やせるが・・・鶏卵的なジレンマがある
4)あっとほーむ 小栗ショウコ
拠点が一つでとても小さいので
私の組織を大きくしたいわけではない
私のように起業し、女性を助けることをしてほしい
またその人自身も働く女性になってほしいと思っている
今回、神奈川県がはじめてくれた県の認定のような仕組み
というのは胡散臭いNPOではない
しっかりしたNPOだと思ってもらう良い仕組みだと思う
Q.知ってもらうには、どのような仕組みがあるか?
3)農家のこせがれネットワーク 代表理事 宮治 勇輔
メディアにでる、講演活動をする
こせがれネットワークにはビジネスモデルがない
「お父さんあなたのこせがれをつれてかえってくるので
300万ください。」
という訳にはいかない。
本を出版したが、そこまでインパクトはないかなぁ、と思っている。
都心のビジネスマンが手に取るには至っていない
最初の課題は農家のこせがれにリーチできない、ことだった。
当時は、農家のこせがれであること自体を
記憶から消去しているようなケースが多かったが
最近はだいぶ、変わってきた。
Q.若い世代の人と関わる中で違うな、と思うことはあるか?
4)あっとほーむ 小栗ショウコ
NPOやりたい!とか社会貢献したい!
ビジネスの競争みたいな世界は私無理なので。。。
といったことが先攻している人が多いように感じる
3)農家のこせがれネットワーク 代表理事 宮治 勇輔
すごい感じる。
学生との交流会とかにいって
女子学生に目をキラキラさせながら
「社会起業家のかたですか?」
ときかれても、なんと答えていいのかこまる
「豚農家やってます」
としか言えない。
1)Teach for Japan 代表理事 松田悠介
昔でいう、大手企業にはいってキャリアを積んでいく
というキャリアパスに疑問を感じている学生は多いと感じる
そういった学生は、国や企業が解決できない
社会的な課題に取り組んでいるのがNPOだ
と考えてアプローチしてくるような学生もいる
Q.今後の事業の展開は?
2)Table for two international 事業局長 小林智子
海外に広げていきたいと考えている
結構、各国での登録作業など地味な作業をしている
最初から、事務局員が張り付いてという形ではできない
ビュッフェなどでやってみて賛同してくれる人
そういったリーダーを支援するようなことが多い
駐在員の奥さんでVISAの関係で就業はできないが
なにかやりたいと思っている方などが
Table for twoを広めることに協力してくれるケースもある
1)Teach for Japan 代表理事 松田悠介
教員免許を持っていない人が教育現場にはいっていけない
本当に優秀な人材は民間に持っていかれてしまっていること
これが大きな課題だと思っていて
そこに活動を広げていきたいと考えている
実は、特別免許状制度というのがあり
社会人経験
十数年やってて100件くらいしかなく
リスクをとれないという意識がある
そこにTeach for Japanが担保できるような仕組みを作れないか
そもそもの教員制度を変えていきたいと考えている。
社会に出てから教育に興味をもつのは健全だと考える
4)あっとほーむ 小栗ショウコ
そもそも、働く女性が当たり前の社会になってほしい
夜間の保育をやっていると育児放棄だと言われたりする
これが、親が残業の時に保育所にお迎えにいってくれる
祖父母が近所にいたら「よかったね」といわれる
あっとほーむは、この祖父母の役割を地域でやっているだけ
3)農家のこせがれネットワーク 代表理事 宮治 勇輔
5年目を迎える。
会員をつのって会員向けにサービス提供するでなく
寄付型でもなくやってきた
こせがれ就農の2大問題は
・収入の問題
・家族の問題(就農するなら離婚よ。かえってこられても困る)
これ以外に課題はないのかと思いつつも
現時点でのこれまでの集大成をこせがれ白書的なものにまとめたい
ライフワークとライスワークが完全に分離してしまっているので
塾的な活動や、農業プロデュース的なところで収益を得る
といった広がりを考えていきたい。
以上
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